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何度言っても右から左へ…聴覚処理の特性とわが家の工夫

学校保健

こんなこと、ありませんか? 学校で先生の指示に乗り遅れる

「ねえ、聞いてる?」「さっき言ったよね?」

そう言いたくなる場面、毎日のようにありませんか?

  • 名前を呼んでも振り向かない
  • 「〇〇して、次に〇〇して」と伝えると、最初のことしかやらない
  • おじいちゃんおばあちゃんが同時に話しかけると、パニックになって「うるさい!」と叫ぶ
  • 学校で先生の指示に乗り遅れる

うちの娘も、ずっとそうでした。

怒ってしまったこともあります。「なんで何度言ってもわからないの」って。でも、それは「聞いていない」のではなく、「聞こえているけど、処理できていない」ことが原因だったと、後になってわかりました。


WISCを受けてわかったこと

娘が幼稚園の年中のとき、WISC(ウィスク)という発達検査を受けました。

WISCとは、知能や認知の特性を調べる検査で、「どの能力が得意で、どこが苦手か」という能力のばらつきがわかります。

結果を見たとき、正直ショックでした。数値として目の前に出されると、親としてはやっぱり胸が痛い。

でも同時に、「あ、そういうことだったんだ」という安心感もありました。

「なんで?なんで?」とよく聞き返していたこと。話しかけても反応が薄かったこと。全部、理由があったんだと。

娘の場合、特に弱かったのがワーキングメモリ、中でも聴覚的な情報処理でした。


📌 ワーキングメモリ・聴覚処理って何?

難しい言葉ですが、簡単に言うと「耳から聞いた情報を、頭の中で一時的に保持して使う力」のことです。

例えば「歯を磨いて、着替えて、ランドセル持ってきて」と言われたとき、この3つを頭の中に置きながら順番にこなす、その力です。

この力が弱いと、聞いた瞬間はわかっても、次の瞬間には抜けてしまいます。「右から左へ」状態になりやすいんです。


こんな場面で困っていました

🏠 家での場面

私の実家では、おじいちゃん・おばあちゃん・ひいおばあちゃんの3人が娘をかわいがってくれています。でも3人が同時に「これやりなさい」「あれは?」と話しかけると、娘は情報が処理しきれなくなって「うるさい!」とパニックになってしまっていました。

悪気はない。でも娘も悪くない。ただ、処理できる量を超えていただけでした。

🏫 学校での場面

学校では特に顕著でした。先生が一人で複数の子に向けて話す「一斉指示」の場面で、娘はよく乗り遅れていました。

個別に、面と向かって話してもらえれば理解できる。でも、ざわざわした教室の中で「では次は〇〇をやりましょう」と言われると、対応できないことがありました。



わが家でやってみた3つの工夫

① 学校と面談しました

WISCの結果をもとにした診断書を持参して、担任の先生と面談しました。

お願いしたこと:

  • できるだけ個別で声をかけてもらう
  • 席を先生の近く(前側)にしてもらう
  • 一斉指示のときはゆっくり話してもらう

「うちの子はこういう特性があります」と伝えることで、先生も対応しやすくなります。診断書があると、具体的に動いてもらいやすかったです。

② 「見てわかる」に変えました

聴覚が弱い分、視覚からの情報処理は得意な娘。ならば「耳」ではなく「目」で伝えようと思いました。

朝のやることを、娘自身に紙に書いてもらいました。



自分で書いたリストだからこそ、娘も「自分のもの」として使えるようになりました。最初は一緒に確認していましたが、少しずつ自分で見て動けるようになってきています。

③ おじいちゃんおばあちゃんにも伝えました

「一度に全員で話しかけないでほしい」ということを、何度も根気よく伝えました。

最初はなかなか理解してもらえませんでしたが、繰り返し話すうちに「そういう子なんだね」と受け入れてくれるようになりました。今では娘が実家にいるとき、少し聞き取りやすそうにしています。



今どうなっているか

正直に言うと、今でも完璧ではありません。

大勢の場では聞き漏らしがあるし、口頭で伝えたことを忘れてしまうこともある。「次何するの?」と迷子になることも、まだあります。

でも娘は、周りの空気を読みながら、自分なりに頑張っています。それがわかるようになったのも、WISCを受けて特性を知ったからだと思っています。

「なんでできないの」から「そういう特性があるんだね」に変わっただけで、親の関わり方が変わりました。怒る回数が減りました。娘も少し、楽になったと思います。


まとめ:「右から左へ」には理由があるかもしれません

  • 何度言っても伝わらない
  • 指示が通らない
  • すぐ忘れる

それが「やる気がない」「聞いていない」ではなく、聴覚的な情報処理の特性からきている場合があります。

もし気になる場合は、発達検査(WISCなど)を受けてみることも一つの選択肢です。数値で見えることで、子どもへの理解が深まり、具体的な対応策が見えてきます。

完璧な解決策はなくても、「理由がわかる」だけで、親も子も少し楽になれると、私は思っています。

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