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放課後等デイサービスで働くPTのリアル。月2回非常勤から見えてきたこと

小児キャリア

「放デイでPTとして働けるの?」という疑問に答えます

小児分野に興味を持ったとき、多くのPTが最初に思い浮かべるのは「小児病院」や「療育センター」ではないでしょうか。

でも実は、理学療法士が活躍できる場所として、放課後等デイサービス(放デイ)という選択肢があります。

「放デイって、保育士や支援員が働く場所じゃないの?」 「PTとして何をするのかイメージが湧かない」 「常勤じゃないと働けないのかな?」

そんな疑問を持っている方も多いと思います。

ちなみに、放課後等デイサービスは「療育」と混同されることがありますが、少し違います。療育は主に未就学児を対象とした発達支援を指すことが多く、放デイは小学生〜高校生(6〜18歳)の就学児が対象です。PTとして関わる場合も、この年齢層が主になります。

私自身、現在は本業と並行しながら、バイトという形で月に2〜4回、放デイに関わっています。最初は「PTとして何ができるんだろう?」という気持ちもありました。でも実際に飛び込んでみると、病院では絶対に見えなかった景色がたくさんありました。

この記事では、13年目のPTが放デイで働いてみてわかったこと仕事内容・気づき・正直なデメリットをそのままお伝えします。

放デイに興味があるけど一歩が踏み出せない方に、少しでも参考になれば嬉しいです。


私の放デイでの働き方 数字で見えてくるリアル

まず、私がどんな形で放デイに関わっているかをお伝えします。

勤務頻度:月2〜4回(バイト) 1回の勤務時間:約3時間(半日) 1回で関わる子どもの人数:5〜6人

「思ったより少ない」と感じた方もいるかもしれません。でもこれが、放デイという現場のリアルな姿のひとつです。常勤ではなく非常勤・バイトという形でも、十分に関わることができます。小児分野に転向したいけれど、いきなり常勤は不安という方にとって、この「まず非常勤から」という入り方は、とても現実的な選択肢だと思っています。

私が関わっている事業所は、放課後デイに加えて生活介護も併設されています。そのため、子どもだけでなく、幅広い年齢・状態の利用者さんと関わる形になっています。


■ 実際のリハビリの進め方

病院のリハビリと大きく違うのは、「1単位20分」のような明確な区切りがないことです。

基本的なスタンスは、時間内でできるだけ多くの子を見るというものです。1人あたりの時間はその子の状態に合わせて調整していて、短い子で20分、長い子で40分、平均すると30分前後という感じです。

放課後デイの一日のスケジュール
10:15 朝礼 ☀️ まずは健康チェックから。その日の予定をみんなで確認します。
10:45 身体ケア・入浴  リハビリスタッフが主体となり、
            一人ひとりに合わせた身体のケアを行います。
12:00 昼食 🍱 栄養バランスの整った外注弁当を提供。美味しい食事でエネルギー補給!
13:00 お昼休み 😴 食後は横になったり、音楽を聴いたり自由な時間を過ごします。
14:00 午後の活動・入浴 🎨 季節の工作やゲームなど。 
              利用者様の「やりたい!」を形にする楽しい時間です。
15:30 帰りの会 👋 今日の出来事を共有。送迎の準備を整えます。
16:00 帰宅 🚗 今日も一日お疲れ様でした!ご自宅まで安全にお送りします。

■ 具体的な支援内容

関わる子どもの状態は、事業所によってかなり異なります。私が働いている事業所では、医療的ケアや車椅子を使用している重度の子も多いため、支援内容は大きく2つに分かれます。

重度の子に対しては、ストレッチ(関節可動域の維持)・姿勢・呼吸リハ、基本的な身体づくりが中心になります。一方、動ける子に対しては、散歩などの外活動・バランスボールを使った体幹トレーニング・協調性の練習なども行っています。


■ 病院との一番の違い

働いてみて感じた、病院との大きな違いは2つあります。

ひとつ目は、生活スケジュールの中で動く必要があることです。放デイでは入浴・食事などの時間が決まっているため、リハビリの時間もそれに合わせて調整する必要があります。病院のように「この時間はリハの時間」と切り分けられているわけではありません。

ふたつ目は、時間の使い方が完全に自分次第であることです。「1単位20分」という縛りがない分、どの子にどれくらい時間を使うかを自分で判断する必要があります。これは自由度が高い反面、経験が問われる部分でもあります。


病院では見えなかった景色「介入→生活→結果」が一気につながる

放デイで働いてみて、一番驚いたことをお伝えします。

それは、「生活とリハビリの距離がめちゃくちゃ近い」ということです。

病院や外来では、リハビリをその場で行って終わりになることが多いです。「家でどう過ごしているか」「実際の生活でどう動いているか」は、なかなか見えません。

でも放デイは違います。


■ 食事場面で見えてくるもの

放デイでは、食事・入浴・更衣といった生活そのものの場面を直接見ることができます。

特に印象的だったのが「食事」の場面です。食形態(ペースト食かどうかなど)、どんな姿勢で食べているか、むせやすさや飲み込みの状態、こういったことを実際の場面で観察できるのは、病院では得られない経験です。


■ 「食事の前にリハを入れる」という介入

例えば、痰が多い・姿勢が崩れている・緊張が高くて飲み込みにくい、そういった子に対して、食事の前にリハビリを入れるという介入ができます。

呼吸を整える、姿勢を調整する、身体の緊張を少し落とす。そうすることで、実際の食事場面で変化が起きます。

「今日は食べやすそうだった」 「むせが少なかった」

こういったフィードバックが、その場ですぐに返ってくるんです。

これは、病院や外来では味わいにくい感覚です。リハビリの効果が生活の中でそのまま見える。
「介入→生活→結果」までが一気につながる感覚は、放デイならではだと思っています。

理学コメント
理学コメント

「介入→生活→結果」までが一気につながる感覚は、
放デイならではだと思っています。


■ スタッフとの関わりで感じたこと

放デイのスタッフは、本当に子どもが好きな人が多いです。これは率直に感じました。

また、若いスタッフ・パートの方・入浴介助だけ来る方など、かなり幅広い年齢・役割の人が関わっています。病院とは違って、いろんなバックグラウンドの人が集まっている環境です。

PTとして専門的な視点を持ち込むと、「この子の姿勢、どうしたらいいですか?」「食事のときに気をつけることはありますか?」と、スタッフから自然と聞かれるようになります。ここに、PTとしての強みを発揮できる場面があると感じています。


正直なデメリット「リハだけやりたい人」には合わないかもしれない

ここからは、きれいごとなしでお伝えします。

放デイで働くことには、PTとして覚悟しておいた方がいい部分があります。


■ リハビリ以外の仕事は必ず出てくる

大前提として、放デイは「リハだけやる仕事ではない」です。

具体的には、おむつ交換・食事介助・送迎(車の運転)といった生活支援の業務が入ってきます。私は現在バイトという形なので、リハ以外の業務はあまり関わっていません。でも常勤として入るなら、ほぼ確実にこういった業務が発生します。

「リハビリだけやりたい」という方にとっては、ここがギャップになる可能性があります。

■ PTとして放デイで働くのに資格は必要?

理学療法士の免許があれば、放デイで働くことは可能です。ただし事業所によっては、「機能訓練担当職員」として位置づけられる場合と、「支援スタッフの一員」として位置づけられる場合があります。
給与も事業所によって大きく異なりますが、非常勤・バイトの場合は時給1,200〜1,800円程度が多い印象です。


■ 「リハ職」というより「支援スタッフの一員」になる

これは結構大きなポイントです。病院のように「PT・OT・STはリハ担当」という切り分けは、放デイではあまりありません。

現場として人手が必要なので、その場で必要なことをやる・役割を超えて動くという場面が普通にあります。専門職として切り分けられている感じは、あまり期待しない方がいいかもしれません。


■ レクリエーション・イベント対応もある

事業所にもよりますが、外出イベント・季節行事・レクリエーションの企画などにも関わることがあります。私のところでも、みんなで大きな公園に出かけることがあります。

子どもと関わるのが好きな人には、これが純粋に楽しかったりします。一方で、「リハだけに集中したい」という方には、負担に感じる場面かもしれません。

■ 離職率・定着率について

放デイはスタッフの入れ替わりが比較的多い職場でもあります。理由としては、生活支援業務との
ギャップや、給与水準の問題が挙げられることが多いです。だからこそ、PTという専門性を持って入ることで、現場での存在感を出しやすいとも言えます。


結論 放デイは「生活を支えるチームの一員になる場所」

最後に、正直な結論をお伝えします。

放デイは、「リハ職」として完結する場所ではありません。

「生活を支えるチームの一員として、PTの視点を届ける場所」

これが、私が月2〜4回の非常勤を続けてたどり着いた答えです。


こんな人には、合うと思います。

子どもの生活に近い場面で関わりたい人。リハビリの効果を「その場で」感じたい人。生活支援も含めて、チームで子どもを支えたいと思える人。まず小さく始めて、小児分野の感覚をつかみたい人。

一方で、こんな人には注意が必要です。

リハビリだけに集中したい人。専門職としての役割をはっきり区切りたい人。生活支援業務に抵抗がある人。


どちらが良い・悪いということではありません。大切なのは、自分がどちらのスタイルで働きたいかを、事前に知っておくことだと思います。

もし放デイに少しでも興味があるなら、まずは非常勤・バイトという形で入ってみることをおすすめします。私自身、月2回という小さなスタートから始めて、病院では見えなかった景色をたくさん見ることができました。

「正しい道」より「自分が見てみたい景色」を選んでいい。それが、小児分野への一歩を踏み出すときの、私からのメッセージです。

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