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小児PTって、どこで働けるの?病院以外の選択肢を13年目のPTが正直に話します

小児キャリア

「小児に行きたい」けど、一歩が踏み出せない理由

理学療法士として働いていると、ふとこんな気持ちになることはないでしょうか。

「子どもに関わる仕事がしたい」 「今の職場も好きだけど、なんか違う気がする」
「小児分野に興味があるけど、どこで働けばいいかわからない」

整形外科、脳血管、呼吸器どの分野も専門性が高く、今の職場でキャリアを積んできた方ほど、「今さら小児に転向なんて無理かな」と思ってしまうかもしれません。

でも、正直に言います。

小児分野は、他分野からでも十分に入っていける領域です。

そして病院だけが小児PTの職場ではありません。むしろ、病院の外にこそ、小児PTが必要とされている場所がたくさんあります。

この記事では、理学療法士13年目の私が、自分自身の経験をもとに「小児PTの働ける場所」を正直にお伝えします。きれいごとなしで、給料のことも、やりがいのことも、両方話します。

小児分野への転向を考えているPTの方に、少しでも参考になれば幸いです。

私が小児分野に進んだ理由 転機は、娘の緊急手術でした

まず少しだけ、私自身のキャリアの話をさせてください。

大学卒業後、最初に就職したのは慢性期の療養病院でした。主に高齢者の方を対象に、約6年間、病棟でのリハビリに携わりました。日常生活へ戻る手伝い

や、その人らしく生きることを支えるリハビリ。ここで「生活に寄り添うリハビリ」の基礎を、じっくりと学びました。

その後、訪問リハビリテーションへとフィールドを移します。約3年間、利用者さんのご自宅に伺い、実際の生活の場での支援を行いました。病院の中ではなく、その人が暮らしている場所で関わることの大切さを、ここで強く感じるようになりました。

病院でも、訪問でも、やりがいは感じていました。でも、どこかに「もっと自分がやりたいことがある気がする」という感覚が、ずっとありました。

転機が訪れたのは、第一子が生まれたときのことです。

娘は出生直後に腸捻転を発症し、緊急手術を受けました。手術室の前で待っている間、主治医から「後遺症が残る可能性があります」「何らかの障害が出るかもしれません」と説明を受けました。

それまで13年間、「支援する側」として働いてきた私が、その瞬間、「支援を必要とするかもしれない子どもの親」になりました。

あのときの気持ちは、今でも忘れられません。

「もし子どもに何かあったら、自分はどう支えるのか」 「リハビリ職として、自分にできることは何か」

この問いが生まれたことが、小児リハビリテーションへの関心が強まったきっかけです。

そしてその後、子どもの成長とともに、聴覚過敏・嗅覚過敏・運動のぎこちなさといった、いわゆる「グレーゾーン」の特性に気づくようになりました。

医療としては介入しにくい。学校でも十分な支援が届きにくい。家庭だけで抱え込まれやすい。

そういう「支援の隙間」が確かに存在していて、そこで悩んでいる保護者がたくさんいることを、親として実感しました。

「同じように悩んでいる家族に、何か届けられることがあるはずだ」

その思いが、今の活動につながっています。

小児PTが働ける場所——正直レビュー

では本題です。小児PTはどこで働けるのか。私が実際に見てきた・関わってきた職場を、正直にお伝えします。


① 放課後等デイサービス

小児分野に転向したいPTが、最初に選びやすい職場のひとつです。

私自身、現在も月に2回ほど非常勤で関わっています。学校が終わった後の子どもたちへの支援、集団の中での関わり、運動や発達面のサポートが主な内容です。

病院とは違うのは、「生活に近い場面での子どもの姿」を見られること。診察室やリハ室ではなく、放課後という自然な時間の中で子どもたちと関わることで、その子の本来の姿が見えてきます。

気をつけたいこととしては、給与水準が施設によって大きく異なること。制度上の報酬枠に依存する部分が大きいため、高給にはなりにくいのが現実です。ただし、児童発達支援管理責任者(児発管)などのポジションに進むことで、給与アップの道は開けます。
あくまで個人の経験に基づく情報です。

※放課後等デイサービスについては、こども家庭庁のガイドラインも 参考にしてみてください。


② 支援学校・特別支援学校

年に数回、支援学校の現場を見学する機会があります。

リハビリ職が学校に入り、身体面の指導や教員へのアドバイスを行っている現場を見て感じるのは、「医療と教育の距離」です。同じ子どもを支えていても、医療と教育では文化も言葉も少し違う。その距離を縮めていくことが、これからのPTに求められていると感じています。

キャリアを積むことで、外部専門職(特別支援教育専門家など)として学校に関わる道もあります。子どもへの直接支援だけでなく、教育現場全体へのアプローチができる点が、この働き方の大きな魅力です。

給与面では、県立の支援学校に関わる場合は比較的安定していて、準公務員的な水準になることもあります。※あくまで個人の経験に基づく情報です


③ 病院の小児外来・小児リハ

給与水準が維持されやすいという点では、病院は安定感があります。ただし、小児だけを専門に担当できるケースは多くなく、成人と小児を並行して担当する形が一般的です。

小児専門病院への転職という選択肢もありますが、求人数が限られるため競争率が高めです。小児分野の経験をつけながら、ステップアップの選択肢として持っておくのがよいと思います。
※あくまで個人の経験に基づく情報です


④ 訪問リハビリ(小児)

成人の訪問リハと大きく違うのは、「家族全体を支える」という視点が強くなることです。

子どもの自宅に入るということは、その子の生活環境・家族の関わり方・日常のルーティンすべてが見えてくるということ。病院やデイでは見えない情報が、訪問では自然と入ってきます。

小児の訪問リハは需要が増えていますが、担い手がまだ少ない領域でもあります。成人訪問の経験を持っているPTにとっては、強みを活かしやすいフィールドだと感じています。


⑤ 運動教室・自主事業

私自身が立ち上げた「えいと運動教室」もこれにあたります。また、靴屋とのコラボイベント・足が速くなる教室・体幹トレーニング講座なども、夏休みや冬休みを中心に不定期で開催しています。

医療・福祉の制度の外に出ることで、「支援の隙間」にいる子どもたちに直接届けることができます。参加費は無料〜1,000円程度と、保護者が気軽に参加しやすい設定にしています。

収益という面では、これだけで生活を成り立たせるのは現実的に難しいです。ただ、本業と組み合わせる形で続けることで、地域とのつながりが生まれ、自分らしい活動の幅が広がっていきます。


⑥ 学校連携(山梨スクールリハ)

学校と家庭をつなぐPTとして、情報発信や啓発活動を行っています。

学校の中にリハビリの視点を届けること、先生と保護者の間に立って子どもの見方を共有すること——これは資格や肩書きがなくてもできることです。むしろ、現場経験と「親としての目線」を持っているからこそできる関わり方だと感じています。
参考サイト
日本小児理学療法学会(公式) https://www.jspt.or.jp

よくある不安に、正直に答えます

小児分野への転向を考えているPTから、よく聞かれる質問があります。ここでは正直にお答えします。
あくまで個人の経験に基づく情報です


Q. 小児の経験がゼロでも働けますか?

働けます。

経験以上に大切なのは、「子どもが好きかどうか」だと思っています。子どもに関わりたいという気持ちがあれば、スタートは誰でも切れる分野です。知識は現場で積み上げていけます。


Q. 給料は下がりますか?

正直に言うと、下がる可能性はあります。

小児分野は医療よりも福祉領域に近くなることが多く、制度上の報酬が限られている職場もあります。ただし、職場の選び方や、キャリアの積み方によって変わります。病院の給与体系を維持しながら小児に関わる形もありますし、児発管などの役職に進む道もあります。


Q. 小児だけで食べていけますか?

食べていくには十分だと思います。しかし、キャリアという観点で考えると
私がおすすめしているのは「組み合わせ」です。

  • 病院 × 小児外来
  • 外来リハ × 放課後デイ(非常勤)
  • 本業 × 自主事業(教室・発信)

どれか一つに絞るよりも、複数のフィールドを組み合わせることで、収入も安定しますし、自分らしい働き方が作れます。


Q. どこで勉強すればいいですか?

一番早いのは、現場に出ることです。

小児分野は国家試験での比重が小さく、座学だけではイメージしにくい領域です。まず現場に飛び込んで、そこで感じた疑問を勉強会やセミナーで補う、という流れが一番身につきます。最近はSNSやオンラインコミュニティでも小児系の情報が取れますので。

「正しい道」より「自分らしい道」を選んでいい

最後に、一番伝えたいことをお話しします。

私自身、療養病院から訪問、そして小児へと、決して一直線ではないキャリアを歩んできました。転機になったのは、資格でも昇進でもなく、「娘の緊急手術」という予想もしていなかった出来事でした。

小児分野に興味があるなら、経験がなくても、資格がなくても、まず一歩踏み出していいと思っています。放課後デイの非常勤から始めてもいい。地域のイベントに関わることから始めてもいい。

「正しい道」より「自分らしい道」を選んでいい。

それが、13年間のキャリアを通じて私が感じていることです。
この記事を読んで、小児分野への一歩が少し近くなったなら、嬉しいです。


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